サバなれ鮨<さばなれずし>
| サバなれ鮨は寿司と言うよりは、長時間樽に漬け込んで発酵させるので、サバの漬け物と言ってもいいかもしれません。もともとタンパク源に乏しかった山里の生活の知恵で、サバがたくさん獲れるときに漬け込んで、肉や魚が無い時節に利用したのです。 味は塩辛く、酸っぱくて「よく発酵したブルーチーズ+魚の香り」という感じでしょうか。これだけ見ると「うっ!なんじゃそりゃ?!」っていう声が聞こえてきそうですが、慣れない人は実物を見てもそう思うかもしれませんね。けっこう癖があります。でもこの味がわかってくるとたまらないんだ、これが。酒の肴には「持ってこい!」だし、ご飯にのせてお茶漬けも美味です。滋賀名物の鮒鮨(ふなずし)ほど洗練はされていないけれど、素朴でいて、奥の深い味わいです。 でもこのなれ鮨が変化していって、江戸前寿司や、押し寿司のような「寿司」に発展していったわけですから、まさに寿司の先祖なのです。材料はサバ、ごはん、塩。なれ鮨を仕込むのは田植えの頃、6月です。そして田んぼが終わる10月ごろに食べられるようになります。 今回は井上久男さん宅で一緒に漬け込むのを手伝わせてもらいました。「できあがりはどうなるかわからんよ。毎年味が違うからね。失敗すると一樽丸ごと捨てることもあるんよ」と奥さんの政子さん。その言葉にサバを持つ手が少し緊張してしまいました。(井上久男さん・政子さん協力) |
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漬けたサバは50匹。お店でお腹を開いてもらったのを買ってきます。鯖があがるのが遅くて7月の上旬に漬け込みました。 サバにしっかりと塩をします。 |
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お米は5升炊きました。もちろん井上さんが作った椋川産のコシヒカリです。ご飯にも塩を入れて、サバのお腹に詰めていきます。この時ぎっしり詰めて、空気がなるべく入らないようにするのがコツ。 |
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ご飯が詰められたサバを樽に漬け込んでいきます。きれいに並べるのは最後に重石を積んだときにバランスが崩れないように、均等に重みがかかるようにです。 緑のものはサンショウの塩漬け。 |
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政子さんの慣れた手さばき。ご飯が丸めてあるのは詰めやすくするため。久男さんも一緒に手伝います。 |
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サバを並べ終わったら、ご飯でサバが見えなくなるまで、ふたをします。最後にこの上に重しをのせてできあがり。直接雨や日光が当たらない場所に置いておきます。 |